物納
(ぶつのう)
延納によっても相続税を金銭で納付するのが困難な場合に、納税者の申請により、一定の相続財産で相続税を納めることができる制度。相続税は国税のため金銭での納付が原則ですが、一定の要件を満たすことで相続税にだけ物納が認められています。物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額となります。
一定の要件とは、
(1)延納によっても金銭で納付することが困難で、その納付を困難とする金額を限度としていること
(2)物納申請財産が納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産で、定められた順位によること
(3)物納に充てることができる財産が物納適格財産であること
(4)期限までに、物納申請書に物納手続き関係書類を添付して税務署長に提出すること
などを満たしている場合です。
また、物納できるのは相続によって引き継いだ財産だけで、相続人が以前から保有していた財産は物納できません。順位も、第1順位は国債、地方債、不動産、船舶、第2順位は社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券、第3順位は動産で、いずれも国内にあることと決められています。物納申請書が提出された場合、税務署長は要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3カ月以内に許可または却下を行いますが、申請財産によっては最長で9カ月まで延長する場合があります。
情報提供:株式会社時事通信社
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