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2019年展望

  • その他

2019-01-16 更新

メインシナリオ 下限1万6000円~上限2万4000円
最悪シナリオ 下限1万4000円~上限2万2000円

米中貿易摩擦

昨年トランプ大統領が中国に対し関税を発動。先月の米中首脳会談で関税問題は90日間の猶予が与えられたとの報道が先行します。
90日間で合意出来なければ、米国は2000億ドル分の関税率を10%から25%に引き上げる予定です。しかし、あまり注目されていませんが昨年7月、8月と(下表)計500億ドル分の関税は既に25%に引き上げられています。この引き上げにより昨年後半から米中両国の景気、経済指標は悪化しています。中国の第3四半期GDPは前年同期比6.5%増と予想の6.6%を下回り、金融危機下にあった2009年第1四半期以来の低い伸びとなりました。仮に第3弾の2000億ドル分、第4弾の2500億ドル分の関税が10%から25%に引き上げられた場合、中国のGDP成長率は2000億ドル分の関税でマイナス0.9%、全5000億ドル分の関税でマイナス1.5%の可能性も指摘されており、成長率が4%台に低下する恐れがあるとの試算もあります。中国の国内消費の落ち込みなど世界的な景気悪化が予想されます。米国景気も年明け発表したアップルの決算が9四半期ぶりに売上高減少になりました。その原因は中国の販売が大幅に減少したことです。この事からも中国が市場に及ぼす影響はとても大きいと改めて感じています。また同日発表されたISM製造業景況感指数も大幅に悪化しています。最悪のシナリオで日経平均1万4000円ぐらいを想定しています。しかし、貿易摩擦は米国にとっても痛手であり解決の糸口を探る動きがあると予想します。

米中関税問題 米中関税問題
IMFの世界経済見通しと主な先進国・新興国の経済成長率 IMFの世界経済見通しと主な先進国・新興国の経済成長率
製造業購買担当者景気指数(PMI) 製造業購買担当者景気指数(PMI)

米中知的財産権などの覇権争い

米中貿易摩擦問題よりこちらの方が難題だと感じています。昨年末のニュースで「米政権、中国ファーウェイ機器の使用を避けるよう同盟国に要請」とあります。実はこのニュースの伏線に10月1日のブルムバーグビジネスウィーク誌の記事で中国政府による米国CIA、海軍、国防総省データへのハッキング目的による電子機器マザーボードへのスパイチップ挿入疑惑とあります。このニュースは2015年の事件ですが中間選挙目前に掲載された背景には、トランプ大統領のみならず米国上下両院、与野党全てが一丸となり中国政府による米国の最先端技術盗用、政府軍事機密情報への不当諜報行為に対し激しい憤りを共有し、大至急断固たる対中防諜政策をとるべき動きが出始めた事が挙げられます。そこで米国が中国の最先端技術盗用、ハッキングなど防止しようと考えたのが現代版CoCom規制と言われています。

CoCom規制・・冷戦期に資本主義諸国を中心に構成された、共産主義諸国への軍事技術・戦略物資の輸出規制のための委員会

この米国の現代版CoCom議論が今年本格化すれば世界の様々な最先端技術分野を支えるエレクトロ二クス企業に広範囲な収益悪化が予想されます。この件でも最悪のシナリオで1万4000円あたりを想定しています。
重要な事柄として貿易摩擦問題と知的財産権の問題を切り離して考える必要があることを付け加えておきます。

世界の基地局シェア(2017年売り上げベース)
世界の基地局シェア(2017年売り上げベース)円グラフ 世界の基地局シェア(2017年売り上げベース)円グラフ

日本はビッグイベント目白押し

2019年の日本は大きな節目を迎える年となります。今年5月には元号が変わり新天皇が即位されます。6月にはG20が大坂で開催され日本が議長国です。保護主義台頭で国際強調への懸念が高まるなど議長国の日本の手腕が注目されます。また9月からはラクビーW杯が開催され、2020年に控える東京オリンピック、パラリンピックの前哨戦に期待が高まります。10月には消費税引き上げが予定されているものの、安倍首相は前回の増税時に景気が腰折れした教訓を生かし、最大限の対策を実行すると思われます。日本国内の不安要素は少ないものの、外部環境に左右される展開を予想します。

2019年の主なスケジュール(見込み) 2019年の主なスケジュール(見込み)
政府の消費税増税対策 政府の消費税増税対策

勢い増す自動売買に警戒

日本市場における最大の懸念が昨年末からの株価変動が激しくなっている点です。(時系列参照)この要因が「プログラム取引」の存在感を増し一方向に大きく動きやすくなる「構造改革」が起きている点です。最近特に勢力を拡大しているのはニュースリリース経済統計の説明文など「キーワード」を読み取り売買をする「テキストマイニング」タイプです。「キーワード」を事前に担当者が設定しておく場合やAIを活用してプログラムが自ら分析を判断して読み取るものも増えてきました。プログラム自体は人間が介して行う為、一方向に動きやすくなり、株価変動率が高まり自動的に持ち玉を調整する「リスク パリティ」ファンドや「CTA」などはその時々の方向性に追随する取引が中心で値動きも増幅させる事が多くなりそうです。

今では、「自動取引」が売買全体の8割を占めると言われており、今後もその勢いが増すことも予想されます。昨年末のような大幅な値動きは個人投資家(特に兼業)などを無視した荒技だと感じています。

このような環境下での売買手法として推奨するのは、短期売買(1日~1週間程度)と先物、ダブルインバース、日経レバなどを活用しヘッジを効かせた運用です。

(1月2日の為替の動きを参照に。約5分間で5円の変動)
日付 始値 高値 安値 終値 前日比 前日比% 売買高(株)
18/12/27 19,706.19 20,211.57 19,701.76 20,077.62 +750.56 +3.9 1,576,420,000
18/12/26 19,302.59 19,530.35 18,948.58 19,327.06 +171.32 +0.9 1,388,260,000
18/12/25 19,785.43 19,785.43 19,117.96 19,155.74 -1,010.45 -5.0 1,716,560,000
18/12/21 20,310.50 20,334.73 20,006.67 20,166.19 -226.39 -1.1 2,067,310,000
18/12/20 20,779.93 20,841.34 20,282.93 20,392.58 -595.34 -2.8 1,821,220,000
18/12/19 21,107.17 21,168.62 20,880.73 20,987.92 -127.53 -0.6 1,739,030,000
18/12/18 21,275.51 21,330.36 21,101.44 21,115.45 -391.43 -1.8 1,625,130,000
18/12/17 21,391.73 21,563.27 21,363.67 21,506.88 +132.05 +0.6 1,362,100,000
18/12/14 21,638.96 21,751.31 21,353.94 21,374.83 -441.36 -2.0 1,871,530,000
18/12/13 21,755.13 21,871.34 21,675.66 21,816.19 +213.44 +1.0 1,332,790,000
18/12/12 21,348.40 21,631.47 21,320.72 21,602.75 +454.73 +2.2 1,480,330,000
18/12/11 21,273.04 21,279.02 21,062.31 21,148.02 -71.48 -0.3 1,476,310,000
18/12/10 21,319.47 21,365.78 21,169.96 21,219.50 -459.18 -2.1 1,383,090,000
18/12/07 21,643.75 21,734.94 21,506.45 21,678.68 +177.06 +0.8 1,371,890,000
18/12/06 21,766.50 21,805.02 21,307.72 21,501.62 -417.71 -1.9 1,510,210,000
18/12/05 21,755.17 21,979.18 21,708.82 21,919.33 -116.72 -0.5 1,463,160,000
18/12/04 22,533.97 22,576.62 22,033.41 22,036.05 -538.71 -2.4 1,551,870,000
18/12/03 22,629.39 22,698.79 22,550.29 22,574.76 +223.70 +1.0 1,340,780,000
18/11/30 22,274.97 22,362.20 22,231.96 22,351.06 +88.46 +0.4 1,819,250,000
18/11/29 22,360.98 22,437.95 22,241.17 22,262.60 +85.58 +0.4 1,302,760,000
18/11/28 22,036.72 22,216.98 22,032.72 22,177.02 +224.62 +1.0 1,388,340,000
18/11/27 21,967.98 22,006.83 21,816.05 21,952.40 +140.40 +0.6 1,325,980,000
18/11/26 21,647.69 21,838.10 21,622.60 21,812.00 +165.45 +0.8 1,339,080,000
チャート チャート

何はともあれ、トランプ氏が大統領である以上、乱高下の激しい相場が続くと思われます。資産管理に十分に気をつける必要があると考えています。

最後に今年注目するテーマ

  • 5G
  • 医療(再生医療、iPS細胞、ミューズ細胞)
  • eスポーツ
  • AI IoT
  • 自動運転
  • 農業関連

たけぞう

たけぞう

1988年(昭和63年)証券会社に入社
1988年~1992年 東京証券取引所立会場内で「場立ち」を4年間
1992年~1994年 証券事務を2年間
1994年~2018年 証券ディーラーを24年間

2018年8月まで、個人の証券ディーラーとして24年間で50億円以上の実績を残す。 独立後、個人投資家としてトレードを行う傍ら、証券ディーラーとしての経験 を活かし、証券市場や資産運用等についてのセミナーや勉強会を開催。 持論は、「株の売買に正解はない」。常に「正解が(本当に)ないのか?」という答えを追い求めて、日々、マーケットに向き合っている。

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