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為替相場と日経平均株価指数の連動性について
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2019-01-09 更新
一般的に為替相場と日経平均株価指数(以下、「日経平均」)は連動性が高いといわれています。この事は株式取引やFXを行う投資家にとっても大変重要なファクターとなります。
ただ連動性が高いといわれても理解しづらいと思います。そこで、少しわかりやすく説明させて頂きたいと思い以下のようにまとめさせて頂きました。
また、この内容に伴うリスクヘッジ(危険回避)などの対応についても簡単に説明させて頂きます。
先ずは、為替相場(ここでは「ドル円相場」を想定)と日経平均の連動性について見てみましょう。
上記の図からもわかる通り、為替相場が「円安」になれば日経平均は上昇傾向となり、逆に「円高」になれば日経平均は下落傾向となっています。これを見ても為替相場と日経平均の連動性がかなり高い事がわかります。
では、何故このような現象が起こるかの要因の幾つかを説明します。
一つは、日本企業は海外で活動をしている企業も多く、ドルを中心とした外貨で利益を上げていますが、決算は円建てで行っています。そのため、為替相場が『円安』に進むと、円建ての利益は拡大し、円安による業績改善が要因となり、これらの企業の株価は上昇傾向となります。(反対に、『円高』に進むと、この逆の動きになります。)
もう一つ、日経平均を構成する225銘柄の多くが輸出企業であることから、やはり為替相場の変動が業績に影響を与えます。同時に、株価の騰落にも影響を与え、日経平均の騰落にも影響を与えることとなります。
これらが、為替相場と日経平均の連動性が高いと言われる大きな要因となっています。
次に、もう少し具体的に、書かせていただきます。
ドル円相場が1ドル=100円のとき、自動車1台を1万ドルで米国で売ります。その場合の円ベースの売上げは、1台×1万ドル=1万ドル×100円=100万円になります。これがドル円相場の変動により、円安となり1ドル=120円になった場合、1台×1万ドル=1万ドルでドルベースの売上は変わりませんが、円ベースになると1台×1万ドル=1万ドル×120円=120万円の売上げとなり、20万円売上が増える事になります。
逆に、ドル円相場が円高になり、1ドル=80円とった場合、1台×1万ドル=1万ドルでドルベースの売上は変わりませんが、円ベースになると1台×1万ドル=1万ドル×80円=80万円の売上げとなり、20万円売上が減る事になります。
また、FX等の為替取引をされている投資家の方のポジションで例えますと・・・
米ドルロング(買い)ポジションを1ドル=100円で1万ドル保有している場合
円安になると為替で利益になるが円高になると損失になります。
ドル円相場が120円(円安)になれば20万円の利益
ドル円相場が80円(円高)になれば20万円の損失
米ドルショート(売り)ポジションを1ドル=100円で1万ドル保有している場合
円高になると為替で利益になるが円安になると損失になります。
ドル円相場が120円(円安)になれば20万円の損失
ドル円相場が80円(円高)になれば20万円の利益
次に、主な企業の業績に対する為替感応度はについて見てみましょう。
主な企業の為替感応度は以下の表の通りです。
このように為替相場が円安になれば利益の出る企業が多い中、ソニーの様に円高(ドル円)になっても利益の出せる企業もあります。
下図は、円安又は円高により恩恵を受ける企業群の一部です。
もう一つ、為替相場と日経平均に影響を与えるのが外国人投資家の動向です。外国人投資家も日本の株式相場には興味を持っており、値上がり益や配当益を狙って日本株に投資をします。
しかし、外国人投資家の一部は日本株へ投資を行う際に、先行きに円安期待が存在する場合、為替差損を防ぐため、同時に円売りを行う(ヘッジ)と想定されます。この時点では為替への影響は中立ですが、株価が上昇した際にヘッジ比率を一定に保つために追加の円売りが必要になることから(株価下落の場合は円買い戻し)、株式市場と為替相場が同時に変動する現象がみられます。外国人投資家の売買比率が高い日本の株式市場において為替動向は非常に重要な変動要因であることがわかります。
しかし、為替相場が円安になったからといってその企業が絶対に上昇するとは限らず、円高になったからといって下落するとも限りません。ですが、これまで書かせていただいたとおり、為替相場と日経平均の連動性は非常に高い事がわかります。
最後に、株式市場で注目される商品として「日経平均連動型上場投信」について書かせていただきます。
日経平均連動型上場投信には、ブル型とベア型があり、それぞれ相場の方向性により投資するタイミングが違ってきます。
それでは、その代表的な2つの商品について紹介します。
ブル型の上場投信として、『NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)』は、 日経平均の約2倍の動きを表す指数に連動します。つまり日経平均が上昇した場合、その上昇率の約2倍の上昇が見込める商品となります。
以下は、その他の主な特徴になります。
・短期的に大きな利益が見込める。
・少ない資金で購入できる。
・面倒な銘柄選定の不要。
■ブル型上場投信(ETF)の代表銘柄
日興アセット管理(1358)
大和投信 (1365)
楽天投信 (1458)
ベア型の上場投信として、『NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1570)』は、日経平均と逆の値動きをする「日経平均インバース・インデックス」に連動するように作られた商品となります。この商品への投資は、日経平均を「空売り」するのと同じ効果があります。 以下が、その他の主な特徴になります。
・相場の下落が予想されるときの利益を上げる手段になる。
・指数連動型ETFのリスクヘッジができる。
・持っている株式や投資信託のヘッジができる。
■ベア型上場投信(ETF)の代表銘柄
シンプレックス アセット(1360)
大和投信 (1366)
楽天投信 (1459)
最近の相場は以前に比べ非常に不安定感を増しており、トレンドの状況変化も激しさを増す一方です。様々な指標がありますが、為替相場と日経平均の連動性は現在も以前と同様に高い状態が続いています。
これからは、その点を軸に金融商品を選んでみるのも良いのではないでしょうか。
今後の皆様の資産運用に関し、この度の内容がお役立てになりましたら幸いです。
たけぞう
たけぞう
1988年(昭和63年)証券会社に入社
1988年~1992年 東京証券取引所立会場内で「場立ち」を4年間
1992年~1994年 証券事務を2年間
1994年~2018年 証券ディーラーを24年間
2018年8月まで、個人の証券ディーラーとして24年間で50億円以上の実績を残す。 独立後、個人投資家としてトレードを行う傍ら、証券ディーラーとしての経験 を活かし、証券市場や資産運用等についてのセミナーや勉強会を開催。 持論は、「株の売買に正解はない」。常に「正解が(本当に)ないのか?」という答えを追い求めて、日々、マーケットに向き合っている。
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