流動性の罠
(りゅうどうせいのわな)
金融緩和で金利が一定の水準よりも低下し、伝統的な金融政策の効果が失われること。通常、金融緩和による金利低下は消費や設備投資を促進させます。しかし、利子率がゼロ%近くまで低下すると、消費や投資よりも貨幣保有が選好されるようになるため、利下げによる景気刺激策は無効になるとされています。一方、「流動性の罠」が発生している状態では、財政政策の効果が大きいとされています。縦軸を利子率、横軸を国民所得とし、財市場と貨幣市場の均衡を分析する「IS-LMモデル」では、「流動性の罠」はLM曲線が利子率の下限で水平となる状態を指します。この時、金融政策は均衡点の国民所得を変化させることができません。一方、財政政策は水平となったLM曲線上でIS曲線を右方向に動かすため、均衡点の国民所得は財政政策の分だけ増大することになります。
情報提供:株式会社時事通信社
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