マイナス金利(政策)
(まいなすきんり(せいさく))
民間の金融機関が中央銀行に預けている当座預金の金利をマイナスにすること。「準備預金制度」に基づき、金融機関は他行との取引の決済をスムーズにするため、中央銀行の当座預金口座に一定の準備預金を預け入れることが決められています。この準備預金の最低金額を超えて中央銀行に預けている預金を超過準備と呼び、超過準備に付く金利をマイナスにする政策です。マイナス金利だと、通常なら支払われる利息をいわば手数料として逆に徴収されることになります。金融機関は中央銀行の口座に資金を置いておくと損をするため、融資や投資に回そうとする動機が働き、実体経済にプラスに作用するとみられているほか、外国為替市場では金利収益の面から運用上の魅力が薄れ、通貨安効果が期待できるとされています。
欧州では2012年7月にデンマークが導入して以降、マイナス金利政策を採用する中央銀行が相次ぎました。欧州中央銀行(ECB)が欧州債務問題やデフレへの対応策として14年6月、スイス国立銀行が同年12月、スウェーデンが15年2月にマイナス金利を採用しています。日銀も16年1月にデフレ脱却へ向け、日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用する「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入しました。しかし、22年には世界的に広がるインフレを抑えるため、ECBやスイス国立銀など、日本を除く世界の主要国の中銀がマイナス金利を解除しました。
情報提供:株式会社時事通信社
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