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テーマで投資できる米国株

  • 米国株

2019-10-11 更新

はじめに

米国株の強みの1つは、世界標準を作り出す各セクターの強さにあります。数十年前までの米国は自動車を中心とした製造業で知られましたが、今やGDPに占める製造業の割合は10%程度です。

より利益率の高い、あるいは成長性の高いジャンルに産業が変化しており、つねにイノベーションの中心であり続けたと言って良いでしょう。

金融テクノロジー

金融の世界でも米国は有名です。先ごろ上場来高値を更新したJPモルガン【JPM】や、バフェット銘柄の1つであるウェルズファーゴ【WFC】といった銀行のイメージが強いかもしれません。

しかし、銀行だけでなく金融テクノロジーの1つの成果でもあるパッシブ運用の世界でも米国企業は圧倒的であり、広い経済的な濠を有しています。代表的なETF運用会社と株式指数(ベンチマーク)組成に強みを持つ2社をご紹介します。

~ブラックロック【BLK】~

ETF運用の世界は、トップシェアのブラックロック、バンガード、ステートストリートの3社でほとんど寡占されています。

特にS&P500などの需要の高い旗艦ETFにおいては、経費率の引き下げ合戦が熾烈で、0.03%の経費率にまでなっています。

すでに、スケールメリットを生かした先行者利益をどのように取っていくかという世界になっており、トップシェアのブラックロックには強みがあります。

米中貿易摩擦に伴う世界経済の不透明さから、直近やや調整していますが、長期の目線では揺るがない優位性を有した企業の1つと言って良いでしょう。

ブラックロックのチャート
※この20年で大きく成長してきたブラックロック

~MSCI【MSCI】・S&Pグローバル【SPGI】~

パッシブ運用はアクティブ運用の運用総額をとうとう凌ぐまでに成長しました。敏腕ファンドマネージャーが銘柄を選定し、投資するというアクティブファンドよりも、株式指数に基づいたインデックス運用のほうがリターンを見込める、そういう実態が人気につながっています。

このアクティブからパッシブへの資金の流れが続く限りにおいて、2大ベンチマーク組成会社の強みは維持されると考えてよいでしょう。

MSCIはMSCIコクサイなどで知られます。SPGIはS&P500で知られます。

金融関連は銀行などにみられるように、どうしてもリセッションに弱い側面があります。しかし、順張り局面においては無類の強さを見せるセクターの1つです。

決済サービス

決済サービスは広い意味では金融、あるいはハイテクセクターに分類されます。

偽札などの心配がなく、かさばらない、なおかつ安全性の高いキャッシュレスの決済サービスは急速に世界中に広がっています。この世界でも様々な企業が活躍しています。

~VISA【V】・Master【MA】~

クレジットカードで知られるVISAとMasterです。日本ブランドだとJCBが健闘していますが、世界的にはVISAとMasterの強さは圧倒的です。この2社はある意味では手数料商売に徹しており、高い利益率が目を引きます。営業利益でおおよそ50%もあります。

また、グローバルな経済成長に伴いカード保有者が世界中で増えています。世界経済が成長する、世界人口が増加する限りにおいて需要の掘り起こしはまだまだ可能な分野です。

先日、JPモルガンが同様のサービスに乗り出すという報道がありました。しかし、今まで築き上げてきたシェアと信頼、特定の金融機関に依存しない中立性は今後も強みとして発揮されるでしょう。

このカード会社2社にペイパルを加えた3社が大きな決済シェアを握っています。

stock performance
※VISAの株価成長率はS&P500を大きくアウトパフォームする。

~アリババ【BABA】~

かつてはAmazonの中国版と言われましたが、今や独自サービスを次々と形にしています。以前のようなネット小売りのプラットフォームという枠組みを大きく超えてきているのはAmazonと同様です。

中でも、アリペイは中国発の決済システムとして非常に広がっており、いまや東南アジアの屋台料理屋でも利用できるほどです。中国人観光客の増加に伴い、瞬く間にシェアを広げています。

中国企業ですが、米国市場で株を購入することができます。

alibaba
アリババのIRから。トータルの売り上げの伸びもさることながら、後述するクラウドでも高い成長率を誇る。

クラウド

クラウドというのは、従来パソコンで管理していたデータ、あるいは利用していたサービスをネットワーク上で行えるようにしたものです。
サーバーなどの設備投資が必要なく、スマホやタブレット、パソコンなどの端末から簡単にサービスを利用できます。
今後もこのクラウドサービスは大きな広がりを見せることが確実視されており、各企業のシェア争い、新たなサービスの開発競争が熾烈です。

売り上げ別のシェアはトップのMicrosoftで13.8%、Amazonで13.2%、以下、IBM、Googleと続きます。圧倒的なシェアを得るにはどの企業も至っておらず、今後の展開が注目されます。

~Microsoft【MSFT】~

Windowsシリーズを中心としたアプリケーションソフト開発のイメージが強いかもしれません。
クラウドの分野ではAzureのブランド名で有名です。AmazonのAWSとシェアを争っていますが、とうとうトップシェアの座をAmazonから奪取しました。オフィス系のアプリケーションも伝統的に強く、プラットフォーム化しています。

microsoft
※MicrosoftのIR情報。規模を考えると驚異的な売り上げの増加。並行して高い利益率を維持、向上させている。

~Amazon【AMZN】~

オンライン小売のイメージから大きく脱却し、様々な先進的なサービスを生み出しています。Amazonプライムやechoなどはその表れです。

クラウドではアマゾン ウェブ サービス(AWS)というサービスを提供中です。「必要なモノがすべて手に入るという Amazon と同様の考え方で、お客様の要望に耳を傾け、サービスを拡充しています。」というだけあり、網羅的にサービスを拡充させています。

最後に

「誰でもわかる米国株投資」ということで、よく知られる有名企業を中心に取り上げてみました。米国内だけでなく、世界規模での競争力を持った企業群です。自分が良く知る業界やテーマに合わせて企業を選ぶのも、株式投資の醍醐味の1つですね。

たぱぞうの米国株投資 たぱぞう

たぱぞう(たぱぞう)
投資顧問会社アドバイザー

2000年より投資を始める。
2010年以降、米国株投資を中心に行う。
2016年自らの投資観をブログにて書き始める。
現在平均月間100万PV、海外投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。

2017年より、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。
この間、メディアに複数回取り上げられる。
「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。

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